■ 序章

食の安全性に対する社会的関心の高まる中で、いわゆる健康食品は1兆円を超える市場を形成し、今後も益々拡大の傾向を示しています。しかしながら、健康食品に関わる法整備は置き去りにされ、そのほとんどが科学的根拠も乏しいままにイメージ重視で販売されてきました。
そうした中、生活習慣病一次予防の重要性や科学的根拠に基づく情報を表示した食品を提供することを目的に、平成3年、特定保健用食品制度が誕生し、これまで400品目を超える特定保健用食品が上市されてきました。また、平成15年には健康増進法と食品安全基本法が施行され、一般の機能性食品においても、客観的な効果と安全性の検証・評価を望む機運が高まっています。
食品は、本来、その三次機能として、「体調のリズム調整や生体防御、疾病予防、疾病回復、老化防止などの健康を維持する体調調整機能」を有しています。 なかでも、特定保健用食品は、一般の健康食品・機能性食品とは区別され、第三者機関による有効性及び安全性ヒト試験を行い、厳しい審査において厚生労働省から健康強調表示の許可を得た食品を指します。
しかしながら、食品のヒト試験においては、試験実施に関する信頼性基準がまだ存在しないため、その計画や実施方法にも差異が見受けられます。また、倫理面、安全面、健康面においても、ヘルシンキ宣言に基づきデザインされていない場合も見受けられ、その試験の信頼性等についても客観的な検証・評価システムの確立がなされていないのが現状です。
そこで、われわれ健康・栄養食品CRO連絡会は、当会の設立趣旨に基づき、食品のヒト試験を行う際に果たすべき役割、求められる倫理規範及び第三者機関による監査について、ここに「食品のヒト試験に関する信頼性基準」として纏めました。この「食品のヒト試験に関する信頼性基準」はヘルシンキ宣言に基づいており、当会会員が遵守することは勿論のこと、ヒト試験の依頼者においても配慮されることを目的としています。
この「食品のヒト試験に関する信頼性基準」は当会の会員並びに依頼者相互の議論の中で修正・補強を行い、よりよいものにしていくこととし、積極的な活用を期待します。 |